冷沢〔つめたさわ〕探索

中房温泉への古道、大峠を越えた西側「冷沢」沿いの道を探索しました。

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車で中房線を上り、中部電力第5発電所横から歩いて大峠を目指しました。まずは発電所から冷沢の支流との合流地点まで林道を歩きます。2万5千分の1地形図では大峠からの古道の破線が林道と合流した所で無くなっています。古道が実線(車道)に重複しているのか、それとも車道を重視して省略されてしまったのか。それは後日検証するとして、地図通りに道の痕跡があるのかどうかを確かめに行きました。

中部電力第5発電所付近ゲート前です。

林道のゲートです施錠してあり車両は入れません。

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上の地図のA地点にやって来ました。

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川の対岸に道らしきものがあるのがすぐにわかりました。それは確かに道でしたGPSで確かめてもピッタリの位置です。ただ入り口に笹が生えていないのは地表から水の滲み出る湿地だからだとわかりました。取っ掛かりが簡単につかめて幸先が良い!と思ったのも束の間、すぐに笹に覆われてしまいました。

しかし斜面を切り落とした幅1.5mくらいの道はしっかり残っています。笹をかき分けながら進みます。谷地形のところは等高線に沿って回りこむように道がついていますが、細かい部分を除けば、ほぼ地図通りの歩道が続いていました。

冷沢の東の斜面は国有林になっているようで。斜面全面にカラマツが植えてあります。その造林地との境界がこの古道になっていることに気づきます。カラマツを目安に楽に探し当てることができました。

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GPSの軌跡を見てください。途中ごちゃごちゃと迷ったところもありましたがなんとか古道に辿り着き前に進むも、B地点で全くわからなくなりました。斜面が崩れた跡があり、道の痕跡が無くなっています。それともそれ故、地図とは違う別の道が開けられたのかもしれません。

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仕方がないので急登し林道へ出ることにしました。

林道に出て古道との交差する場所を探します。

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C地点です。地図ではここを登っていますが笹に覆われて全くわかりません。

かなり時間が経過しました。今日の探索はここまでとし、あとは林道を大峠に向かって上り、周囲を確認して帰路につきました。

グーグルアースに地形図を重ねてみました。

レイヤー

結論として一つ。数カ所を除いて、古道を境界として山側にカラマツが植えられたのは紛れもない事実のようです。林相の違いが道のありかを示していると言えるでしょう。

下の写真を見てください。今回通れなかった部分も造林地のきわを古道が走っているように見えます。これらカラマツが植えられた頃には古道がまだ道として機能していたことを示唆しています。つまり、古道は現在でもいわゆる「赤線」(里道)である可能性もあり、自治体あるいは国の管理下にあるものとなるでしょう。 https://ja.wikipedia.org/wiki/里道

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林道から眺めた北アルプス。左からチラリ大天井、ずーと右に行って合戦尾根と燕山荘、その肩越しに燕岳が見えます。その昔も同じ山並みを眺めながら多くの人がここを下ったことでしょう。

冷沢の左岸を大きく迂回しながら林道が作られていますが何箇所もこのように崩れ、治されないまま放置されています。

その左岸から見た古道の上のカラマツ林です。国有林で森林整備が進行中です。

中部電力第5発電所近くのゲート前まで戻ってきました。カモシカがジーッとこちらを見ていてどきません。この道は最近では彼の道になっていたようです。道というのは通る者が権利を有する。なるほどそうかもしれません。