倒木処理
青葉を付けたアカマツがいきなり倒れました。よく見ると根元の方では腐っていて脆くなっていたようです。かろうじて水を吸い上げる通りは残っていて上の方では青々と葉を繁らせていたようです。根元が腐った原因は何でしょう。皮が剥げ虫がかじったような穴や鳥が虫をほじくったような穴が無数に付いています。虫とはカミキリかもしれないしキクイムシの仲間かもしれません。いずれにしろ虫が菌類を運び込んだ可能性は高いように思います。
そしてまたもや地面から3メートルくらいの高さで折れています。どうもその辺りを好む特定の虫がこの惨劇を引き起こしているのではと思わせます。
多種多様な生態系の内情は一本のマツにもたくさんの異生物が取り憑き、それぞれが局所的に棲み分けていると考えるのは自然です。
さて、倒木は運悪く隣の別荘に直撃してしまいました。建物の棟の上に接触して大きくしなり、その衝撃で先端は折れて飛ばされました。
写真の通りに屋根から6〜7m飛び出した樹幹を取り除く方法としてロープを二点掛けし吊り下ろすこととしました。ですがクレーンなどは使いません。近くにある立木を利用するのです。倒木の先端と切断箇所にそれぞれロープを結えそのままの横位置で切り離すのですがロープの支点から弧を描いて動くので建物にぶつからないようなるだけ高い位置から吊らなければなりません。
牽引機である程度ロープを緊張させ屋根に上りいよいよ切り離します。
まるでブランコが揺れるように離れていきました。後はロープに繋がった牽引機を緩めて着地させるだけです。
切断までのセッティングに時間と手間がかかりましたがそこを惜しまないのが肝心です。重機を使って合理的に作業を進めるのは最近の美徳とされていますがそのために失うものがないようにしたいものです。
じっくり考えながら試行する時間はかけがえのないものでもあります。