カナシイタケ タクマシイタケ


ある別荘の庭での出来事。去年の寒波到来以来時間が止まってしまった「椎茸」です。
傘が大きく開き過ぎてシイタケらしく見えませんが、胞子を放出したのか途中なのか、突然襲ってきた寒波に凍りついてニッチもサッチもいかなくなっています。見る限り新鮮なシイタケですが触ってみればやはり凍ってカチカチで、もったいないから摘んで帰ろうなんて気持ちは瞬時に失せてしまいます。気温が上がれば ▶️ 再生が始まり、零下になれば ⏸ 一時停止する。この早送りの時代に何とも焦れったいですね。
別荘においてこのような栽培ものをするのがそもそも無理がある。


それにしても興味深いのはこのシイタケの繁殖力です。発生してから2年目の秋を迎えてこの出方、天地返しも散水も何もしていないのにこの旺盛な出方。種菌の出来不出来ではない、何故かここだけがすごいのです。
このホダ木、何を隠そう植菌したのは私なのですが、これまでとどう違ったのか覚えておらず、というよりいつも通りに打っただけ。自分のところはイマイチなのに本伏せした場所が良かったのでしょうか。南に疎密なマツ林で夏場に直射日光が当たらぬようカシワの木の下に伏せました。砂地で乾きやすい地面ゆえ立てずに低くムカデ伏せにしました。原木はコナラの木です。
それら全ての条件が幸い発生環境にうまく合致したのでしょう。
春夏発生する品種なので5月頃どれだけ出るかが楽しみです。

原木栽培の収穫量はそのホダ木の重さの15%ぐらいだといわれています。今のところデータを上書きする勢いがあります。
哀しみを乗り越えて、もはや私はそれを「タクマシイタケ」と呼ぶことにします。