マツタケ
10月3日の収穫です。
時期的にはちょっと遅いのかも知れません。そして、今年はやや不作のようにも思います。
松茸狩りは基本的に「シロ」と言われる発生場所を巡回して収穫します。毎年「シロ」から同心円上に少しずつ広がりながら地面に顔を出します。菌根菌である故かマツタケは大体同じ場所からしか発生しないのです。マツタケを発見したらその場所を押さえておけば後は出ていそうな時期に見て回ればいいのです。
けれどもそれも、自分の持ち山でもない限り安心できません。誰かに先を越されてしまうかも知れないからです。私有林ではない県の公有林などは実際には制限が緩く誰でも入れる山になっています。
自分が発見した「シロ」は果たして自分しか知らないのか、いつか誰かに知られてしまうのではないか。そう考えると居ても立っても居られなくなります。
人よりも早く!人に見られない内に!自ずと入山時間はどんどん遡り、今回の集合は午前3時30分となりました。知っているシロの数が多ければそれだけ収穫には時間がかかりますからね。
それにしても、なんと浅ましく猜疑心に満ちた行動でしょう、、、
確かにそうなのですがマツタケをもらって喜ばない人はいません。私たちのように趣味の範囲のキノコ採りは収穫をお金に換えることなく、日頃お世話になっている友人知人へお礼として贈っているのです。そうして喜ばれることがこちらの喜びでもあるのです。そのためなら多少の早起きは何でもない事で、対する冷たい視線も全く気にしない、という訳なのです。
山菜やきのこ、炭や竹細工など木材以外の林産物を「特用林産物」と言います。
特用林産物の生産は地場産業として地域経済の安定に大きく関与しています。栽培ができないマツタケは他の林産物に比べ特別なのかも知れませんが昔はもう少し身近に食卓に上がる食材だったようです。異常な値がつく一端は里山の荒廃と松枯れによってアカマツが減っていることも関係しているでしょう。
ほら、やっぱりここでも松くい虫の問題に繋がっていくのです。